2023年6月8日
中世イギリスの社会階層での不正咬合の発現についての研究です。今では到底出来ない研究です。
上流階級・・33.3%の不正咬合の発現率
中産階級・・28.5%の不正咬合の発現率
少産階級・・19.0%の不正咬合の発現率
貧民の方々と富裕階級での食生活の違いが不正咬合発現に差異をもたらしたものと思われる。
Knockow ,Winkler (1932)
また、中世イギリスの上流階級が埋葬されている墓地
から掘り出された頭蓋骨の計測と観察では、上顎骨の狭窄と摩耗が少ない歯が高頻度で認められた。
比較対象として同時代にペストで集団埋葬された貧民を調べると咬耗は著しく歯列弓は幅広かった。
More (1975)
当時における軟性食品と哺乳瓶哺育によって、引き起こされた変化を今日の平等、社会にあって、もはや観察することはできない。
Biobloc Therapy 自然成長誘導方2001 より
→DR今井のコメント
イギリスの中世上流階級の人々は十分加熱調理された食事をしていたと思われる。その結果顎の成長も不十分で歯の咬耗も見られない。また当時高価である砂糖製品も食していたのでう蝕も認められたようですね。
哺乳瓶哺育も始まっていたのには驚きます。