2022年2月24日
前回にヒトは哺乳類のなかで最も難産であるというお話しをしました。
それを少しでもスムーズにいくように赤ちゃんの頭に工夫があります。
通常の出産であれば胎児は産道を頭から出てきます。
出産後の赤ちゃんの頭の頂上を見ると心臓の鼓動と同調してわずかに
上下に動いています。そうこの部分は柔らかい軟骨なのです。
硬くなるのは1歳半くらいまでかかります。
この軟骨部は大泉門(だいせんもん)と言われています。
頭のてっぺんでひし形の形をしています。長いところで3cm位の大きさです。
頭の骨はこの大泉門を中心にいくつかの骨が組み合わさっています。
この骨と骨との接ぎ目はファスナーのジッパーのようになっていますが
生まれたての赤ちゃんのこの継ぎ目は完全には閉じていません、
軟骨状態です。ですからある程度自由に可動しますよ。
胎児が狭い産道を通るときに頭は圧迫され大泉門を中心に頭を
変形させラグビーボールのように変形し出てきます。
すごいですよね~。
狭い産道を通るための工夫なんですね。
この変形は出産後もとに戻ります。
のちに詳しく説明すると思いますが側頭筋という筋肉が
頭と下顎の間についていてます。
おっぱいをの飲むときに働く筋肉です。
しっかりした授乳をすることで産道で圧力を受けて変形した頭の骨を
早く元に戻す効果があると私は考えています。
この一連の赤ちゃんの頭の骨構造が授乳による刺激により脳の発達や成長を
促していると思われます。授乳時間や期間が長い母乳での育った子供の
IQが高い理由の一つと私は考えています。
おっぱいをしっかり吸うことで、頭の骨と下顎についた筋肉が働き
その刺激で脳が活性化されるのかもしれませんね。
次回は「ヒトの子供は超未熟児で生まれる」についてお話しします。